ウーさんのぎょうざ

ときにABは、料理教室に行ったりもするんである。
「ウーさんの粉もの教室へいっしょに行きませんか?」とお誘いがきたのが昨年末。以前も西麻布の末富さんの料理教室に誘ってくださったCOBOさんである。
ウー・ウェンさんといえば、粉ものの天才。彼女のギョウザは天にものぼるおいしさと定評がある。実際、スタイリストのえりちゃんが、ウーさんレシピでときどき作ってくれるのだが、塩ぶたとか、もやし炒めとか。もう、それはそれはおいしいのだ。
だから、ものすごーく楽しみにしていたABだった。
しかし、どうも昨年から時間の歯車やら体内磁場やらがちゃんと機能していないAB。いつの間にかウーさんのお教室は土曜日とインプットされていた。
前日に「金曜日ですよ」とCOBOさんに言われていたにもかかわらずだ。
さらに料理家のさわ子さんに「明日よ〜、いっしょに行こうね」とデコメールまでいただいていたにもかかわらず、ぜんぜんケータイの存在を忘れて飲んだくれてしまったのも痛かった。
朝8時半にさわ子さんから電話。「もしもし」という声を聞いたとたんに、はっと我にかえり、「土曜日じゃなくて今日だったよね!」と叫んでいた。

粉ものだから爪を切ってネイルをおとさないと、悲惨なことになる。
シャワーを浴びないと・・・ヒドイ状態だ。

刻々と時間が過ぎる。
と、つれあいが「僕が行こうか? いまからバイク飛ばせば間に合うから」と。
一秒考えて、行ってもらうことにした。
ウーさんのお教室に電話をした。
「あの、ブルーベアですけど、ちょっと都合があって夫がピンチヒッターで行きますがよいですか?」
「・・・・ショ、少々おまちくださいませ」
で、若いヒトに代わってウーさんが電話口に登場。
「いいですけどー、ほかのヒト、全員、おんなのヒトだけどダイジョブですかー?」
「モンダイありません(きっぱり)」とAB。

かくしてつれあいは、女性に囲まれ、ちやほやされて楽しかったようである。
かくして、かれはまたひとつレパートリーを増やしたのであった。
このごろ、リョウリ分野で圧倒的に不戦敗のAB。ちょっと悔しい。