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アンナプルナ――かわいい響きだな、と思った。

サンスクリット語で「豊饒の女神」の意味だそうだ。

けれど、この世界標高第10位の山は別名キラーマウンテンとも呼ばれる魔の山。死亡率40.77%(wiki)と、8000m峰の中でも群を抜いている。

このアンナプルナのすぐ西側に8000m峰のダウラギリ8167mが聳えている。

ちょうどトレッキングを始めた30日、ガイドのSashi(ソシ)が言った。ダウラギリで日本人のパーティーが遭難したらしい、と。
「風が強かったから。雪崩が起こったらしい」と。

どんなに経験を積んだ登山家でも、どんなに綿密な準備を整えても、自然を前に人は微力だ。
行方不明者を残したまま、ダウラギリの捜索は今日打ち切られるということだ。

たまたま、近くにいたのだな、と思った。
ネパールの山に行くといって出てきたから、家族が心配しているかもしれないな、と思った。

山に消えていった勇気ある魂に心から冥福を祈る。


写真・アンナプルナ south 7721m (撮影・okazu)