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何度眺めてもうっとりしてしまうカニ刺繍。
この秋と冬に巡回するツォモリリ展示会でご覧いただけます。
古いものだから、痛んでいる部分をよけて、美しい部分をはぎ合わせているのですが、
そのはぎ方がシャープな曲線を取り入れるなどしていて、何倍にも芸術性を高めています。
その精緻さが、どこか祈りにも似ているのです。

残しておきたくて、先日、Facebookのタイムラインにアップしたカニ刺繍の記事を再録します。
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先日、30年前からインドの手仕事を扱ってきた大先輩にお目にかかりました。
しっとり美しいものたちだけが飾られている店内でうっとり。
いろいろなお話を伺いました。
こちらもいろいろ話してしまった。
「インドは難しいことがたくさんあるでしょ。でも楽しいわよね」
今回私が仕入れたカニ刺繍のショールは、繕うことを代々手がけてきた職人さんが、130年前のアンティークを丁寧に繕ってアートピースに仕上げたもの。
カニジャマワールと言って、針を使わずに結ぶ手法で気の遠くなるような刺繍をパシュミナの布全面に施したものです。
店主の方が「カニ刺繍はあるときに手に入れておかないと、もういいものはつくられてないものね」とおっしゃって、本当に分不相応に高価だったけど、清水の舞台から飛び降りて仕入れてよかったと思ったのでした。
著名な画家の奥様がコレクターなのだそうです。
多分ここまで美しいカニには2度と出会えない、そんな想いです。現代のものとはエッジの効き方がまったく異なります。
店主の方とは、同じタイミングで渡印する12月に、南あたりで会えたら会いましょうと言って別れました。