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この年末のいよいよ押し迫った時期。何かじんわりと心を揉みほぐせないものか、と。
映画「あん」を選んで借りて観ました。

瞬殺で徳江さんのファンになりました。
徳江さんは樹木希林で、樹木希林はどこまでも徳江さんなのでありました。

徳江さんはあずきの声を聞きながら餡を煮る。くつくつと湧き上がる湯気の香りに、あずきの豆一粒一粒の記憶を読み解くのです。
陽の光、風の音、土の匂い。

河瀬直美監督の作品にはいつも「木」が登場し、観る人をシビれさせるのだけど。
「木」はもう一つの時間軸を提示してくれます。
ストーリーとはまた別の時間軸が歴然とある、ということ。

美しくおおらかにそこにある「木」。
私たち人間より、ずっと永く、
この世界の営みを見つめる存在としての「木」。

満開の桜とともにやってくる徳江さん。
まるで妖精のよう。

徳江さんの半生を想う。
人が人に賭す残酷な運命。
怒り。悲しみ。
一筋の光。

(まさにあのドリアン助川の原作なのです)

そうだ、明日はどこかの大きな木に会いに行こう。
抱きついて耳をくっつけて、木の声に耳を傾けよう。

そんな余韻に包まれたのでした。